きものスタイリスト 大久保信子流 季節を彩る晴れ着スタイル 晴れ着の丸昌 横浜店

結婚披露宴に出席する際の装い

秋は春に並んで結婚式の多い季節。披露宴に出席するにあたって、
装いはパーティードレスも華やかで良いですが、振袖も格調高くはるかに素敵です。
今回は、披露宴に招かれた際の振袖の装いをご紹介します。

丸昌のレンタル衣裳を
「大久保信子流」にコーディネート

友人の披露宴での
ドレスアップ振袖

若々しさの中に
気品を感じさせる着こなし

着用シーン

以下の着用シーンに合うアイテムを丸昌の
レンタル衣裳の中から選んでいただきました。

場面 披露宴に出席
立場 学生時代の友人
年代 20代

コーディネートのポイント

  • お祝いの気持ちを表した着こなし
  • 品を備えた若々しい着こなし

着物

紅白の牡丹が華やか

ゴールド地に黒の牡丹柄

若々しく、
可愛く品良く装いましょう

振袖にはおめでたい吉祥文様をはじめ、美しい模様が描かれており、披露宴などのお祝いの席にふさわしい華やかさがあります。合わせる帯も金糸銀糸が使われた豪華な袋帯や唐織の帯などです。披露宴に招かれて着用する場合は、お祝いの席にふさわしい華やかさがありつつ、落ち着きと気品のある装いを目指すと良いでしょう。

第一礼装の振袖で、
お祝の気持ちを表す

今回選んだ振袖

印象的な華やかさのある模様

振袖は未婚女性の第一礼装です。披露宴という晴れの場にふさわしく、その長目の袖と華麗な色柄は女性をより美しく見せてくれるので、ご友人の婚礼に祝福の気持ちを表す装いとして充分です。今回選んだ振袖は若々しい印象のピンク色。地紋は花嫁衣装として着られる振袖にも多く使われる本紋の文様です。古典柄の代表の牡丹、桧扇、御所車などが描かれており、おめでたい席に華を添える装いとなるでしょう。

今回選んだ帯

金×黒のコントラストが効果的

着物に描かれた印象的な牡丹の花を意識して、選んだのは花の王と言われる牡丹文様の帯。お祝いの席に見合ったきらびやかな金地に、黒で描かれた牡丹のコントラストが鮮麗に映え、格調の高さを感じさせるデザインです。若々しく可愛いらしいピンクの振袖をグッと引き締めます。

今回選んだ小物

色選びは「2:1」の法則でバランスよく

帯締め、帯揚げ、重ね衿は、いずれか2つの色をそろえる「2:1の法則」で選ぶとバランス良く整います。今回の場合は、帯揚げと重ね衿の色をそろえ、若草色にしました。若草色は文字通り、若々しいイメージの色です。着物のピンク色の反対色ということもあり、色映えが鮮明で着姿にメリハリが出ます。 帯締めは、着物の牡丹の色からとった濃い赤系にし、統一感を持たせています。振袖のボリュームに合わせて、帯締めを2本使いしているのが今回のポイントです。

コーディネートした振袖の
詳細はこちら

※帯や小物は、丸昌のコーディネーターによる
お見計らいとなります。

今月のメモ

振袖の色柄選び

振袖は色や柄のバリエーションが多彩で、大変デザイン性に富んだ着物です。似合う色柄は人それぞれですが、一般的に背の高い方は大柄のもの、小柄な方は小さ目の柄のものが似合うと言われており、選ぶ際のヒントになります。また、振袖の地色は肌の色に合ったものを選ぶのが美しく着こなすコツ。胸のあたりに当ててみて、顔色がいきいきと明るく見える色を選びましょう。

吉祥文様とは

めでたい慶賀の意味を持つ文様です。代表的なものとしては、正倉院宝物に見られる鳳凰、葡萄、唐草文などがあります。平安時代に年中行事が定まり、その行事を由来とする松、鶴、菊花などが加わり、江戸時代に入ってから平安期を意味する御所車、桧扇などが加わりました。

振袖の帯結び

振袖の後ろ姿を彩る帯の結び方には、ふくら雀結び、立て矢結びなどを基本に、これらにアレンジを加えた結び方が数多くあります。若い方の場合は、今回の立て矢結びのように羽根のある結び方が基本です。この結び方には、若い方が未来に向かって夢を持って羽ばたいて行って欲しい、という願いが表現されています。

教えてください! 愛用の一着

単衣の小紋に
さらりとした無地の帯

七宝くずしと秋草散らしの
軽やかな着物

着物は小さな七宝と、菊や紅葉などの秋の小花が散らされた紬地の小紋。優しい色遣いで大人の可愛らしさがあります。
大久保先生「秋を意識しながらも爽やかさがあり、9月の単衣として活躍の場が多い着物です」

波の地紋が入った
薄いグレーの名古屋

帯は薄いグレーの地にゆるやかな波柄の地紋が優しく浮き出る染名古屋帯。
大久保先生「地紋が気に入ったので白生地から染めました。薄いグレーはどんな着物にも似合います。カジュアルな装いに幅広く活用できて重宝しています」

大久保信子流“今月の晴れ着スタイル”
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大久保信子さんのご紹介

1976年に某着物雑誌の制作に関わり、日本で初めて「きものスタイリスト」として紹介される。それ以降、ハースト婦人画報社、世界文化社、プレジデント社などの各雑誌、NHK、その他各種テレビ番組、着物取扱い業者のパンフレットなど、着物のスタイリングおよび着付けに幅広く携わる。十数年の日本舞踊の経験や、歌舞伎鑑賞を趣味としており、着物に関する奥行きの深い知識と美学を身につけている。常に、着る人の立場に立って、その人の持っている美しさを最大限に引き出すスタイリングと着付けには定評がある。