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お茶会に招かれたら、どんな着物がいい?【春夏カジュアル編】

お茶会に招かれたら、どんな着物がいい?【春夏カジュアル編】

暖かい春になると、各地で大寄せのお茶会が催されます。「お茶会って?どんな着物を着たらいいの?」…初めてお茶会に行くときは、知らないことだらけで緊張するかもしれません。そこで、まずはカジュアルな大寄せのお茶会に合う、着物や帯のコーディネートをご紹介します。なお、着物は季節に合わせて衣更えを行い、初夏には単衣、盛夏には薄物(夏着物)と変わりますが、そんな季節ごとの装いについてもご紹介。気温や体調も考慮しつつ、適切に暑さ対策を取り入れてください。

 

気軽な大寄せの茶会で、おすすめの着物は?

大寄せのお茶会とは、大人数で催されるお茶会のことを指します。茶道や着物の経験が浅い方でも、気軽に参加できるお茶会です。装いもあまり格式張らなくて良いので、着物は訪問着や色無地のほか、カジュアルな小紋もよく着られます。帯は派手すぎない袋帯や、袋帯の簡略版として考案された名古屋帯でも構いません。あらたまった席では、格式高く装うのがマナーのため、染めの着物に織りの帯を合わせますが、大寄せのお茶会では、織りの帯より格が下になる染めの帯でも大丈夫です。

小紋の着物を着ていくなら、小さめの飛び柄や繊細な柄が特徴の江戸小紋などが、上品でお茶会向きと言えるでしょう。小紋の着物には一般的に名古屋帯を合わせますが、お茶会ではあまりカジュアルに寄りすぎないよう、箔の入った帯を選ぶなど、少し格を上げるように工夫すると良いでしょう。

色無地の着物は、紋のないものだとお洒落着感覚で着られるので、名古屋帯と合わせてカジュアルに着こなしても良いでしょう。もちろん、袋帯とも合わせられますが、気軽な大寄せのお茶会なら、金銀糸は控えめな季節柄の洒落袋帯などを合わせてみてはいかがでしょう。

 

春夏のお茶会では、どんな着物を着たらいい?

ここでは、春から夏にかけてのお茶会での着物についてご紹介します。季節がどんどん進むにつれ、着物も袷から単衣、そして薄物へと替わっていきます。ですが近年は温暖化の影響で早い時期から気温が上昇するため、衣更えの時期も早まっています。お茶会では、着分けの基本ルールに則るのが無難ですが、その日の天候や体調に合わせて、暑さ対策の工夫をしましょう。

春のお茶会は、春らしい色柄で

心華やぐ春のお茶会では、明るい色柄の着物が映えます。春には桜や藤、牡丹などの花がありますが、そういった季節の花を描いた柄は、開花が真っ盛りの時期や、それを過ぎた時期に着るのは避けた方が良いでしょう。季節柄の着物を着る場合は、花の時期よりも少し早めに取り入れるのが好まれます。ただし、花や枝、茎まで写実的に描いた柄ではなく、花だけを抽象的に描いた柄なら、あまり厳格にルールに縛られなくても大丈夫です。また、菜の花のような黄色、若草を思わせる黄緑など、色味だけでも季節を感じさせることはできますし、春霞を思わせるようなぼかしの着物も、そのはんなりとした雰囲気が季節にマッチして素敵です。

6月、単衣の着物の季節には

一般的には、6月は衣更えの時期とされ、着物は袷から単衣に変わります。そして着物に従って、長襦袢も単衣用になります。帯は、梅雨時の気分を晴れやかにするような明るめの色や、軽やかな着け心地で見た目にも涼やかな綴れの帯が良いでしょう。帯揚げや小物も、一般的には絽などの夏物に替わりますが、切り替え時期は地方によっても違うようですし、近年の温暖化で、早めに衣更えをする方もいらっしゃいます。このように、季節による着分けについては比較的柔軟に考える傾向にあるようですが、お茶会の場合は「6月は単衣」のルールを基準に考えておいた方が良いでしょう。もし6月よりも早く替えるのであれば、長襦袢を通気性の良い絽や麻にするなど、見えないところから暑さの工夫をするのが無難かもしれません。

夏のお茶会は、夏の着物で見た目涼しく

暑い夏は、お茶会は少なめですが、「夏祭に浴衣でお茶会」といったカジュアルな催しもあります。また、「朝茶」という早朝の茶事もあり、暑くともできればお茶会へは着物で行きたいものです。一般的な着分けのルールでは、7月を迎えると盛夏向けに再び衣更えをします。着物は、薄物と言われる透け感のある絽や紗の着物に、半衿や帯も絽や紗、麻といった夏物に替わります。帯揚げ、帯締めも夏物を合わせ、見た目にも涼しげに装うのがポイントです。ポリエステル素材の絽の着物は、格の高いお茶会には向かないものの、気軽に洗えるので汗をかきやすい方には便利かもしれません。蒸れやすく暑いという難点がありますが、中には正絹に近い品質のものもあります。

 

亭主、客、お手伝い、それぞれのふさわしい着物とは?

お茶会は、亭主(主催者)、半東(亭主の補佐役)、お運びなどの手伝い、そして客とで構成されます。それぞれの立場によって、どんな着物がふさわしいのでしょうか。

亭主として迎える側になったら

迎える側の亭主は、おもてなしの心を第一に考え、控えめながらあらたまった装いに。お茶会の趣旨などに合わせて、着物の格は訪問着や付け下げを選び、品のよい準礼装にするのが良いでしょう。客やお手伝い役は亭主に失礼にならないよう、亭主より格上にならない着物を選ぶので、亭主がカジュアル過ぎるとバランスが崩れてしまいます。

半東・お運びのお手伝い役になったら

亭主の補佐役である半東は、お茶会では重要な役割をします。亭主より目立たないよう、品良く装うのが良いでしょう。お運びの人も注目されるので、上品な中にも華やかな着物がおすすめです。例えば季節の花柄の着物に、色糸と金銀糸で絵柄を織り出した唐織の袋帯を合わせてフォーマル感を出すなどはいかがでしょう。大寄せのお茶会で、お運びの方がきれいな装いで働いていると、場がパッと華やぎます。とは言え、はじめての半東でどんな着物がふさわしいのか迷った場合は、先輩や先生にアドバイスを伺っておくと、安心してお役目に集中できますね。

客としても格づけを考えて

招かれた客側は、亭主よりも格の高い着物にならないのが礼儀とされます。また、客にも格付けがあり、特に少人数のお茶会では席順が重要視されます。客のリーダー的存在である正客は、一番上位の席に座って亭主と受け答えするので、着物でもある程度の格の高さを考慮した方が良いでしょう。その他の客(相客)は、リーダーの正客より格上の装いにならないように。困った時に役立つ着物は、やはり色無地でしょう。合わせる帯によって、華やかにもシックにもなるので、何かと便利です。

 

最後に

茶道では、おもてなしの精神が大切にされます。そして、おもてなしの心は、着物の装い方にも表れます。例えば、お茶会で迎える側なら「大切なお客様をお迎えするから、とっておきの着物を選びました」ということを、客の立場でも「この季節のお茶会がとても楽しみで、季節の花の着物を選びました」など、言葉にしなくても着物が語ってくれるでしょう。

晴れ着の丸昌 横浜店では、春夏のお茶会にふさわしい訪問着や色無地を取り揃えています。単衣、薄物といった夏向けの種類も多数ございます。また、帯や草履、バッグなども、たくさんのラインナップの中からお茶会に合うものをレンタルいただけます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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