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古い着物を着るときの注意点と着こなしのコツ

古い着物を着るときの注意点と着こなしのコツ

洋服ではあまり無いことですが、着物の場合「私が昔、着たものだけれど」と、ご家族やご親族から古い着物を譲り受ける…という場面があるかも知れません。その方の人生の晴れの場面を彩った着物や、大切な想い出の詰まった着物を受け継いで着ることは素敵なことです。またそれは、流行に左右されにくい着物だからこそできることでもあります。ここでは、古い着物を着る際に気をつけたい注意点と、古さを感じさせない着こなしのコツをご紹介します。

 

受け継がれる着物について

今ではすっかり洋装が定着した日本ですが、少し時代を遡ると、衣服と言えば「着物」で和装が当たり前でした。また、女性は婚礼の際に嫁入りの道具のひとつとして着物を誂えることが一般的でした。そのような背景から着物は、弟や妹にお下がりとして譲ったり、大切な晴れ着を親から子や孫へと受け継ぐことが多々ありました。

受け継ぐ着物

このように着物が受け継がれるのには、着物ならではの特徴に理由があります。そのひとつが、衿や袖の形、丈の長さ、全体的なシルエットなど形状の様式が不変だということです。洋服の場合、今年のスカートはマキシ丈がトレンド…とか、トップスはビッグシルエットが人気…といった具合に、流行によって形状が変わるのに対し、着物にはそういった変化がありません。そのため、仕立ててから何年経っても流行に左右されずに着られるのです。さらに、着付けの工夫や仕立て直しでサイズの調整がしやすく、体型の違う人でも着られるという点や、帯や衿など小物類のコーディネート次第で、ガラリ異なる印象で着こなせるという点も挙げられます。言わば着物は、体型・年齢不問、時代錯誤とも無縁な万能ファッションなのです。

特に、上質の素材で丁寧に仕立てられた着物は、お手入れや保管状態さえ良ければ、何年経っても見劣りすることはありません。むしろ、古い昔から伝承され、描かれ続けてきた伝統の柄は不変の美しさがあり、時代に関係なく人々を魅了します。

例えば、成人式の晴れ着として、お母様が結婚前に仕立てられた振袖を着ているお嬢さん、お母様やご親族から受け継いだ振袖や訪問着に袴を合わせ、卒業衣装として着こなしているお嬢さんは、昨今のモダンなデザインの振袖とはまた違った魅力が感じられ、目を奪われてしまいます。

 

古い着物を着る際に気をつけたい注意点

大切な着物を譲り受けたら、より美しく着こなしたいものですが、実際の着用前に必ずチェックしていただきたい注意点があります。昔の古い着物にはよくありがちなトラブルですが、早く気付くことができれば、対処も可能ですので忘れずにご確認ください。

古い着物のトラブルや注意点

シミやカビ、変色などのトラブル

長い間、タンスにしまいっ放しになっていた着物は、思ってもない部分にシミが見つかったり、カビや変色などのトラブルを起こしている場合があります。着付けで隠れる部分ならまだしも、目立つ部分のトラブルはカバーが困難ですので、事前に着物の状態をくまなくチェックしておきましょう。

防虫剤のニオイトラブル

今では無臭タイプの防虫剤がたくさんありますが、30年ほど前までは、どの防虫剤も独特のニオイを持つものが当たり前でした。古い着物は、そのニオイの中で何年もしまわれていた影響で、生地自体にニオイが染みついている場合があります。タンスから出してもなかなか消えないことがあるので注意が必要です。

裄や身丈の長さトラブル

今の若い世代はひと昔前の日本人と比べるとスタイルが良くなったこともあり、身長や腕の長さと着物のサイズが合わない場合があります。身丈はおはしょりを少なめにするなど、着付け方の工夫でカバーできる部分もありますが、裄は着付けでカバーしにくい部分です。仕立て直しで対応できる場合もありますが、時間がかかるので早めに着手しましょう。

これらのトラブルは、とにかく早めの確認が肝心です。早く気付くことができれば、実際に着るタイミングまでに対処できることもあります。ただ、着物は非常にデリケートなものなので、自己流でやってしまうとかえってトラブルを悪化させる恐れがあります。まずは専門家に相談するのが安心です。中でも、着物のお手入れ・お直しのプロである悉皆屋さんなら最善策を提案してくれるはずです。

 

古い着物をより素敵に着こなすコツ

その昔、御祖母様やお母様が着られていたような古い着物には、今の着物とはひと味違った魅力があることは先述の通りですが、より素敵に着こなすためにはちょっとしたポイントやコツがあります。それは、帯まわりのコーディネートです。

昔の帯は、豪華絢爛な刺繍や織り柄が多く、それはそれでひとつの魅力なのですが、着物も帯も昔のものを組み合わせると、どこか古めかしい印象になりがちです。ですから、古い着物には今の帯を合わせるというのが大きなポイントです。この点を押さえると、昔の着物に現代的なテイストがプラスされ、今の着物と今の帯という組み合わせにもない素敵なコーディネートになります。

また、帯揚げや帯締めといった帯まわりの小物も、必ず今のものを使うようにしましょう。これらは着物姿全体から見ればごくわずかな面積しかありませんが、コーディネートの挿し色になるものです。なので、帯と小物の色合わせが今っぽいだけで、昔の着物であっても古臭さを感じさせず、垢ぬけたコーディネートに仕上がります。なお、色ヤケや黄変で劣化した帯揚げや帯締めを使うと、全体が締まらずぼやけた印象になってしまうので、それを避けるためにも発色や光沢が美しい、今のものを合わせることをおすすめします。

古い着物の着こなしのコツ

最後に

大切な着物を譲り受けたものの、どうしても対処できないトラブルもあります。その時は、レンタル着物もご検討ください。晴れ着の丸昌 横浜店では、色や風合い、仕立てにもこだわった正絹素材の着物、時代を越えて愛される正統派の絵柄を描いた着物を数多くラインナップしております。着物に関するお悩みごと、ご要望などもお気軽にご相談ください。

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