留袖
黒留袖の柄のお話 立場や年齢にふさわしい選び方は?
- 黒留袖
- 選び方
- 柄
- 意味
- 不老長寿
- 夫婦円満
- 子孫繁栄

既婚女性の第一礼装である黒留袖は、地色が黒無地で裾にしか柄の入らないシンプルなものであるだけに、柄の違いで印象がかなり変わります。年齢や立場によって、どのような柄がふさわしいのでしょうか。黒留袖の柄の選び方についてまとめました。
黒留袖の柄の特徴
黒留袖は、主に結婚式で着られる慶事の第一礼装で、新郎・新婦の母親や仲人夫人、それに親族の既婚女性が着用する着物です。地色が黒で柄は裾部分だけ、縫い目で途切れない絵羽模様になっているのが特徴です。
柄はおめでたい席にふさわしいように、染め、箔、刺繍を用いて、「よい前兆」という意味合いのある吉祥柄、平安貴族の装飾品にも使われていた有職(ゆうそく)文様、格調高い正倉院文様など、華やかで品格を感じさせる柄や縁起の良いモチーフが描かれています。
和装の柄は季節を感じさせるものが多いのですが、黒留袖は一生のうちにそう何度も着る機会があるわけではないので、一年中、どんな季節でも着用できるように配慮されているものがほとんどです。たとえば「菊の花」の柄は秋を感じさせますが、高貴さ、長寿を象徴するものとすれば季節は選びませんし、おめでたい席に花を添える、という考え方もできます。
黒留袖の柄の意味
黒留袖には、古くから幸せを願うおめでたいモチーフが描かれてきました。以下によく使われるものをまとめました。それぞれの意味も選ぶときの参考にしてください。
不老長寿
鶴亀、鳳凰、龍、松竹梅、牡丹、桃、菊、熨斗(のし)など、定番のモチーフは不老長寿を願うものとして描かれています。
子孫繁栄
葡萄、瓜、唐子、兎など、たくさんの実がなる、たくさんの子が生まれるものが子孫繁栄の象徴とされています。
夫婦円満
鴛鴦、相生の松、貝桶など、二つで一組となるモチーフが代表的。貝桶は平安貴族が遊んだ貝合わせの貝を入れる桶で、二枚貝をあわせることから夫婦円満の象徴となりました。
豊作
米を食べに来る雀、雪の結晶をかたどった雪輪などは、豊作を象徴しています。
栄華栄達
七宝、宝船、扇などは、栄華栄達を意味しています。
成長祈願
桐、麻、竹、これらのすくすくと伸びる植物は健やかな成長を願って描かれています。
黒留袖の柄選び
黒留袖の柄選びには、「これでなければ」という決まりごとはありません。ですが、招待客に感謝や敬意といった礼儀を尽くすためにも、着る人の立場や年齢にふさわしいものを選ぶことが大切です。
新郎新婦の母親の場合
新郎新婦の母親の黒留袖は、年齢相応の落ち着いた雰囲気で格調の高いものを選びましょう。おめでたい鶴や亀、松竹梅、四君子、鳳凰などは喜びを表現すると同時に格の高さもある柄です。袋帯も同等の格のものを合わせ、ゲストをお迎えする立場として礼儀を尽くした装いにします。
仲人夫人の場合
仲人として出席する際の黒留袖は、主役の花嫁を引き立てるという視点で選んでみてはいかがでしょうか。ご年配の方も若い方も、上品で落ち着いた柄を選ぶことで、仲人という立場にふさわしい品格を表現できます。
年配の方の場合
黒留袖は一般に、裾模様の面積が大きいほど若向きとされ、面積が小さく、模様の位置が低くいほど年配者向けのデザインとされています。裾の方にすっきりとした柄が入っているものが、年齢相応の上品な落ち着きを感じさせます。
若い方の場合
黒留袖でも裾模様が大きく、膝上まで美しい色や大きめの柄が配されたデザインは、若い方にふさわしい華やかさやかわいらしさを感じさせます。
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最後に
大切な人の婚礼の席で着る黒留袖は、祝福の気持ちを込めて選びたいものです。たくさんの種類の中から、あなた自身にふさわしい黒留袖を選んでみてはいかがでしょうか。
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