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お宮参りの着物の柄  その意味を知って選び方に活かしたい

お宮参りの着物の柄  その意味を知って選び方に活かしたい

お宮参りの着物には、子どもの健やかな成長を意味するさまざまな柄が使われています。今回は、お宮参りの着物の柄、ひとつひとつに込められた意味についてご紹介します。 お子さまの着物選びの際の参考にしてみてください。

(※この記事は2017年8月22日に公開したものを加筆修正しました。)

お宮参りに着る着物の柄は、おめでたい吉祥文様がベース

お宮参りに使う祝い着の色あいや柄は、男の子と女の子では違っていますが、よく使われる柄は、古くから礼装用の着物や帯に用いられてきた縁起のよい吉祥文様です。男の子は強くたくましく、女の子は優しく美しく育ってほしいという親の願いが込められています。

男の子がお宮参りに着る着物の柄と意味

男の子のお宮参りに着用する着物の柄は、勇壮で威厳のあるものが多くみられます。よく使われる柄にはどんな意味があるのでしょうか。それぞれみていきましょう。

お宮參り_男の子の着物_柄と意味

「兜」の柄とその意味

大切な頭を守る兜は、邪気や災難から男の子を守ってくれるという意味があります。着物に描かれた兜の豪華な飾りは、権威と高い地位の象徴であり、一家の長として、男の子の成長を願うお守りとしての役目もあります。

「鷹」の柄とその意味

眼光鋭い鷹は男の子の着物の柄として描かれることの多いモチーフです。遠くまで見渡す鷹の目には、本質を見抜く、先を見通す眼力に通じ、鋭い爪は一度つかんだ運や幸運を離さないという意味があります。また、鷹狩りは権威の象徴でもあることから、男の子の出世、大成を願う想いも込められています。

「龍」の柄とその意味

縁起物として知られる龍は、想像上の生き物ですが古来中国ではすべての生き物の祖とされていました。龍を使った柄には、円形をベースにした丸龍、巻龍、角形の角龍、升龍、菱形、そのほか馬蹄形、木瓜枠にあらわされたもの、向き合った二つの龍を配した双龍文など、さまざまなものがあります。また、辰年生まれの男の子に縁起物としても選ばれることも多い柄です。

「虎」の柄とその意味

虎が吠える姿(虎嘯)は出世を意味します。虎のように強く、たくましい子に育って欲しいと願いが込められています。中国では、虎は竹林に棲むと考えられており、竹と一緒に描かれることが多いようです。

「巴太鼓」の柄とその意味

巴(ともえ)とは、沸いた水が渦になって外の方へ回るようなかたちを円形に配した文様です。太鼓の面に描かれることが多く、太鼓の音が「よく鳴る」と物事が「よく成る」をかけて、縁起の良い柄として描かれます。

「宝船」の柄とその意味

米俵や金銀、珊瑚などの宝物を積んだ帆掛け船で、新たな旅立ちや門出を意味しています。たくさんの積み荷は、一生ものに困らないように…との願いが込められています。のちに、七福神を乗せた柄も描かれるようになりました。

女の子がお宮参りに着る着物の柄と意味

女の子がお宮参りに着る着物の柄は華やかさと気品あふれる優美な友禅模様(友禅染めに使われるような色彩豊かな美しい模様)が人気です。一般的な着物の柄としても幅広く使われているものも多くあります。

「御所車、花車」の柄とその意味

よくある御所車は皇族や貴族の乗り物だった牛車で「玉の輿に乗れますように」との願いを込めたもの。この御所車に花を飾ったのが花車で、牡丹や菊、桜など四季折々の花々は、多くの人々の祝意を表しています。女の子の美しい成長と人々からの祝福を願う気持ちが込められています。

「毬」の柄とその意味

平安時代に流行した蹴鞠(けまり)が貴族の遊びだったこともあり、美しい毬は高貴さと気品を表します。また、丸い毬には、「何事も丸く収まりますように」「丸々と健やかに成長しますように」という願いが込められています。さらに、毬は子どもが遊ぶものであることから、子どもが寂しくないようにお守り代わりという意味あいもあります。

「鈴」の柄とその意味

お宮参りの着物柄に鈴が描かれているのは、神様に呼びかけて祈りや願いを届けることを意味します。古来、鈴の音には獣や魔物などを追い払い、神や縁起のよいものを引き寄せる力があると信じられてきました。

「熨斗(のし)・束ね熨斗」の柄とその意味

多くの熨斗を束ねた束ね熨斗は、人と人とのご縁や絆に恵まれることを表しています。周囲の人たちからたくさんの祝福を受け、幸せを分かち合って欲しいという願いが込められています。この柄は男女どちらにも使われてきました。

「鼓」の柄とその意味

古典楽器の鼓をモチーフにした文様です。王朝文様といわれる、雅な平安貴族への憧れから描かれた文様のひとつでもあり、典雅な雰囲気があります。音が「よく鳴る」と物事が「よく成る」をかけて、女の子の美しい成長に願いを込めたのでしょう。

「糸巻き」の柄とその意味

糸を巻き付ける器具を意匠化した文様で、糸を繰るのも縫うのも女性の大事な仕事だったことから、女児や女性の着物に多く描かれます。糸巻きから長く伸びる糸の途切れない様子から、長寿や子孫繁栄を意味していると言われます。

「柄」に着目したお宮参りの着物の選び方

男の子と女の子で描かれるモチーフに違いはあれど、お宮参りの着物に描かれる柄には、子供の無事の成長と将来の幸せを願う親の心が込められていることがお分かりいただけたかと思います。着物を選ぶ際に、その柄に込められた意味に着目して選ぶと、赤ちゃんが成長してから「こんな願いを込めて選んだのよ」などと記念写真を見ながら想いを伝えることができますね。

また、男の子であれば生まれた年の干支にちなんで「虎」や「龍」「鳥(鷹)」にするという選び方もあるでしょう。女の子であれば、花の柄はたくさん種類があるので、生まれた季節を象徴するような花、赤ちゃんのイメージに合う花から考えるという選び方もあるでしょう。男の子も女の子も、柄の選び方に厳格な決まりはありませんので、ご家族で相談しながら素敵な柄を選んであげてください。

最後に

時代は変わってもすくすくと育てという親心に変わりはありません。着物の柄に込められたさまざまな意味も、お宮参りの着物選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。

丸昌 横浜店では、お宮参りの着物選びを誠心誠意サポートいたします。和装の知識に長けたスタッフが対応しますので、柄の種類や意味など知りたいことがあれば遠慮なくお問い合わせください。選び方に迷われた場合は、人気の柄やおすすめの柄などのご案内もさせていただきます。

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