女の子にとって、七歳の七五三は2度目のお祝い。ですが、三歳の七五三とは衣装もスタイルもガラリと異なり、その晴れ着姿は一層華やかになります。そのため、一度経験があるものの、必要なものは何なのか、何を揃えれば十分なのか分からず不安…という親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。そこでここでは、七歳の七五三を着物で祝う場合に必要なものを詳しくご紹介いたします。
七五三の「七歳」のお祝いとは?
七五三の七歳のお祝いは、鎌倉時代に行われていた「帯解きの儀」がルーツと言われています。帯解きの儀は、それまで、ひもを使って着物を着付けていた子供が、ひもではなく帯を結ぶようになったことを祝う儀式で、室町時代までは男女ともに九歳で行われていました。それが江戸時代末期になると、男の子は五歳、女の子は七歳で行われるようになり、この儀式を経て、子供から大人への仲間入りをすると考えられたようです。現代では、七歳と言えばまだまだ子供ですが、子供の成長を祝って行うという意味では、今も昔も親の心は同じと言えるのではないでしょうか。
七歳の七五三も、三歳の時と同様に、晴れ着と呼ばれる特別な着物に身を包み、地域の氏神様とされる神社に参拝します。そして、これまでの無事の成長への感謝を伝え、これからの幸せを祈願します。この時、フォーマルなワンピースなどの洋装スタイルを選ぶと、小学校の入学式の衣装と兼用できて便利ですが、七歳にまで成長すると三歳とは違って着物を汚す心配も少ないので、華やかな和装で七五三をされる方が多いようです。和装の場合、七歳の七五三衣装は大人とほぼ同じで、着物に帯を結ぶスタイルです。三歳の時に使用した柔らかい兵児帯の代わりに、大人と同様の帯を使う訳ですが、この点はルーツと言われる帯解きの儀の考え方が影響しているのでしょう。
なお、七歳の七五三を行う時期については、厳密なルールはありません。数え年の七歳でも満七歳でも、どちらかが間違っているというようなことはありませんので、お子様の成長度合いや、ご家族や兄弟姉妹のご都合なども考慮して、ふさわしい時期をお選びください。
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七歳の七五三衣装で必要なものとは?
七歳の七五三を洋装でされる方、記念写真だけ和装でされる方など、色々いらっしゃるかと思いますが、ここでは七歳の七五三を和装で行う場合に必要なものをご紹介します。購入かレンタルかを問わず、ほとんどの場合が一式セットになっていると思いますが、七歳の七五三衣装にしかしない独特なアイテムもありますので、姉妹や親戚からのおさがりなど、譲り受けたものを使用される場合は、不足がないかしっかりチェックしてください。
七歳の衣装で必要のものは、先述のとおり「着物」と「帯」がメインです。着物は、多少であれば着付けの際の補正でサイズ調整が可能ですが、お子様の身長や腕の長さに合わせて肩上げや腰上げをしないと、キレイに着付けられない場合があるので、事前の確認が必要です。
着物
七五三をはじめ、特別な節目となる晴れの日に着る礼服です。七歳の場合、お子様の体格にもよりますが「四つ身」と呼ばれる子供用サイズで仕立てられた着物が一般的です。これからますます成長することを願って、あらかじめ大きめに作ってあるため、お子様の体格に合わせて肩上げや腰上げを行い、サイズ調整して着付けます。
帯
着物に兵児帯を締めて、上に被布を羽織る三歳の衣装と異なり、七歳の場合は華やかな柄が織られた格調の高い袋帯を締めます。大人の帯と同様に一本の長い帯を胴に巻いてから羽根を作る手結び帯の他、胴に巻く部分と、あらかじめ成形された羽根の部分が別れた作り帯があります。
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次に必要なものとして、着付け小物があります。三歳の衣装と違い、七歳の衣装はほぼ大人と同じスタイルとなるため、必要なものの種類や数がグッと増えます。衣装として表に見えないものもありますが、全て揃っていないと着付けが完成しないため必需品です。
肌着
素肌の上に着用するもので、肌襦袢(はだじゅばん)とも呼ばれます。長襦袢や着物に汗や汚れが付くのを防ぎます。和装用のものもありますが、普段着用されている衿ぐりの深いU字かV字のシャツでも構いません。
長襦袢
肌着(肌襦袢)の上に着る着物で、汗や垢などで着物が汚れるのを防ぐ役割があります。また、衿部分には半衿が付いており、着物の衿元が汚れるのを防ぐだけでなく、チラリと覗かせて装いをより華やかに見せる効果もあります。
腰ひも
長襦袢や着物を着付ける際に使用する細めの紐です。使用する本数は、体型などによって変わります。七歳の場合は4本ほどあると良いでしょう。
伊達締め
長襦袢や着物を腰ひもで着付けた後、衿合わせやおはしょりを美しく保ち、着崩れしないよう、固定するために使用します。腰ひもよりも幅が広めです。
帯揚げ
着物と帯のつなぎ役を果たす布で、帯の形を整える帯枕のひもを隠すための実用的な役割と、コーディネートにアクセントを添える装飾的な役割の両方があります。見える分量はわずかですが、帯まわりをより華やかに見せたり、コーディネート全体を調和させたり、着こなしを左右するアイテムのひとつです。
帯締め
結んだ帯の上に締めるひもで、帯がゆるまないよう固定する役割と合わせて、装飾の役割も果たします。帯や帯揚げの色に合わせてコーディネートを楽しむ小物です。
志古貴
帯の下側に巻く柔らかい布で、左後ろで結んで端を垂らします。もともとは、長い裾が邪魔にならないよう、たくし上げて固定するためのものでしたが、今は帯まわりを華やかに見せるための装飾として使われます。七五三の女の子と花嫁さんの着付けにだけ使用される小物です。
帯板
帯の前の部分が美しく見えるように整える小物です。帯に挟み込んで使用します。帯にハリを持たせ、シワを防ぐ役割があります。
帯枕
帯を結ぶ際に背中側に付ける小物で、結び目が下がったり、崩れたりしないよう支える役割があります。子供用サイズなので、大人用のものより小ぶりです。
三重仮ひも
スタンダードな帯結びをする際には必ずしも必要ではありませんが、帯の形状を花や蝶などに見立てて、より華やかで個性的な帯結びをする際に重宝する小物です。ひもの中央部が三重のゴム仕様になっており、この間に帯を挟み込むことで帯の美しい形状をキープすることができます。
足袋
足の形に沿った袋状の履物で、洋装でいうところの靴下です。草履の着用時に使用し、一般的には白足袋です。子供用の足袋は、大人と同様にこはぜのついたタイプも、履きやすさに配慮したストレッチタイプもあるので、好みに応じて選ぶと良いでしょう。
草履
七五三に限らず、和装の際の基本的な履物です。下駄の一種で、素材に木が使用されたぽっくりの場合もあります。デザインの好みもあるかと思いますが、お子様の履きやすさ、歩きやすさを優先してお選びください。
また、その他の必要なものとして、装飾用の小物類がいくつかあります。実用性や機能性が高いアイテムではないので、どうしても必要なものではないのですが、それぞれに込められた意味や役割、仕上がりの美しさを考えると、やはり揃えてあげたいものと言えます。
箱迫
箱迫は、武家の女性が外出時に懐に入れて持ち歩いた小物入れが由来とされており、中には身だしなみに必要な懐紙や鏡、櫛などが入れられていました。現在では、胸元をポイント的に飾る箱型の装飾小物として使われます。
びらかん
箱迫に付けて使用する装飾品です。垂れ下がった板状の装飾がゆらゆらと揺れ、胸元を華やかに見せてくれます。小さいながらも存在感を発揮する飾りのひとつです。
扇子
先に向かって広がるかたちから「末広」とも呼ばれ、未来が末広がりに幸せになるよう願いが込められた縁起物です。装飾品としての役割が大きく、帯と帯締めの間に差します。
バッグ
手荷物を入れるためのハンドバッグです。サイズは小ぶりで、荷物を入れて使う実用性よりも、コーディネートをより可愛く見せるための装飾性の方が強いアイテムと言えます。
髪飾り
髪に付けてヘアースタイルを華やかに仕上げるアイテムです。リボンや花など可愛らしいデザインのものが多く、バリエーションも豊富です。
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七歳の七五三であると便利なものは?
種類が多いため全て覚えるのは難しいですが、七歳の七五三衣装として必要なものはお分かりいただけたかと思いますので、次に神社へのお詣りの際にあると便利なものをご紹介したいと思います。七歳ともなると随分とお姉さんなので、必要のないものもあるかと思います。あまりにも荷物が増えてしまうとお詣りが大変ですので、それぞれで必要なものをご判断ください。
靴と靴下
七五三のトラブルで最も起こりがちなのが、草履のトラブル。歩いている最中に脱げてしまったり、鼻緒が擦れて痛くなったり、泥や出血で足袋が汚れたりと、普段履いている靴とは勝手が違います。また、神社は砂利道や階段など歩きづらい場所も多いので、移動の際には履きなれた靴と靴下を準備しておくと良いでしょう。ただ、着物姿の足元に靴はミスマッチですので、ご祈祷や写真撮影の際は草履と足袋に履き替えられるようにしてあげましょう。
絆創膏
新品の草履は鼻緒が硬いことが多いため、履いて歩いているうちに、足に擦れて皮膚がめくれたり、出血したりすることがあるでしょう。そんな場合に備えて、あくまで応急処置にはなりますが、絆創膏を準備しておくと安心です。
着替え
慣れない着物は子供にとっては苦しく、動きづらいものです。また七歳とは言え、思わぬところで着物を汚してしまう可能性もあります。お詣りの後にご家族で食事会などに出かけられる際は、着替えられる服があると良いでしょう。
大判のハンカチ・タオル
衣装に着替えた後、食事や飲み物を摂る場合、万が一の汚れに備えて、ハンカチやタオルがあると良いでしょう。衣装の上から広範囲にカバーできる大きめサイズがおすすめです。ですがリスクを減らすためにも、食事は着付け前に済ませるようにしましょう。
ストロー
食事は着付け前に済ませたとしても、水分補給は適宜必要です。市販のペットボトルや缶入り飲料を飲む場合は、ストローを使うと便利です。飲み口からこぼして着物を汚してしまう心配が軽減できます。
洗濯ばさみ・クリップ
着物の袖は長いため、動作の邪魔になりがちです。しゃがんだ際に地面や床についたり、誤って踏んでしまったり、手を伸ばした際に付近のものを倒してしまったり…。そんな時に便利なのが、たもとを留めておける洗濯ばさみやクリップ。トイレの際には、着物の裾を帯上で留めておくと汚れや着崩れの防止になります。
ひと口サイズのお菓子
小腹が空いた時やご祈祷までの待ち時間などにあると便利なのが、ひと口で食べられるサイズのお菓子。飴やラムネ、グミなどなら、ポンと口に収まるので食べこぼしによる汚れの心配もありません。
口紅
七歳の七五三では、軽くメイクを行う場合も多いと思います。ただ、お菓子を食べたり、飲み物を飲んだりするうちに、口紅が落ちてしまうことも…。メイク直し用に、口紅を持っておくと安心です。
コーム、ヘアピンやヘアワックス
ついつい触ってしまったり、風に吹かれたりして、せっかくセットした髪型が崩れてしまうこともあるでしょう。乱れた髪型のままで写真に収まるのは後悔が残るので、その場ですぐにお直しができるよう、コームやヘアピン、ヘアワックを準備しておくと良いでしょう。髪型を固定するための整髪料としてはスプレータイプのものもありますが、噴射範囲が広く、髪飾りや着物に付着してシミになる場合があるので、ピンポイントに使えるまとめ髪用のヘアワックスがベターです。
ビニール袋
草履から履き替えた靴や、濡れたり汚れたりしたハンカチなどをサッと収納できるよう、ビニール袋を1~2枚持っておくと便利です。その他の荷物と分けることで、汚れが移るのを防げます。
大きめのバッグ
ご祈祷の後、神社によっては複数の授与品があり、帰る際には荷物が増えている場合も。また、お詣りの時期にもよりますが、衣装の上に羽織る防寒着が必要な場合もあるでしょう。そんな時にあると便利なのが、荷物をひとまとめにできる大きめのバッグ。使わない時はコンパクトにたためるタイプだと、かさばらず便利です。
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最後に
七歳の七五三は、年齢が上がったぶん、衣装を汚したり、急に機嫌が悪くなったりという心配は減りますが、衣装は三歳や五歳に比べて種類が多彩で、必要なものがたくさんあります。お詣りの当日に慌ててなくて済むよう、そしてお子様もご家族も素敵な七五三のお祝いが過ごせるよう、事前に必要なものを洗い出して準備を進めてください。
なお晴れ着の丸昌 横浜店では、七五三のプランを複数ご用意。その全てのプランで衣装として必要なものを一式セットでご提供しておりますので、はじめて準備される方でも安心してご利用いただけます。また、着付け小物や装飾小物に至るまで、品質にこだわったものを厳選し、お子様の七五三をトータルにサポート。衣装だけでなく、お祝いの習慣やしきたりなど、ご不明な点などがありましたらお気軽にお問合せください。